積んでる本、注文した本

ここ2週間くらいに購入した本。到着したものも待ってるものも。

◆Analytic Narratives-Bates, Robert H.:
比較政治分析メソッドのトレンド。某先生推薦。

◆Superpower Games: Applying Game Theory to Superpower Conflict, Brams, Steven J:覇権国コンフリクト分析の古典。
◆時間は存在しない、カルロ・ロヴェッリ◆脳と時間: 神経科学と物理学で解き明かす〈時間〉の謎-、ディーン・ブオノマーノ:学部時代に一番興味があった時間論についての最新議論のキャッチアップ。

◆行動経済学の使い方 (岩波新書 新赤版 1795),大竹 文雄:私は行動経済学とは逆のアプローチで研究してますがこれは読むべき。

◆ゲームAI技術入門──広大な人工知能の世界を体系的に学ぶ (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)−ゲームのキャラクターの記憶、群衆、自動生成など、ゲームAIに関わる技術を網羅的に解説・・これも私の研究と逆のアプローチなんですが、これは本当に楽しみ。

合意形成学とブランディング

数理モデルで社会を読み解く研究をしていてもどかしい場合があって、ブランドはその一つ。主体の効用を超えて共有できる、共有すべきnarrativesの存在とも言おうか。街や企業のブランド価値は高いほうが良いに決まっていてそれは古今東西どこでも共通のコードであるのになかなか難しい。マーケティングはマーケティングで、会計は会計で閉じていて意思決定や合意形成のモデルに乗せにくい。オリンピックを控えた東京のブランディングと合意形成状況はどうなっているんだろうか。考えてみたい。

地政学と距離

私が取り組んでいるのは、紛争解決のための意思決定数理モデルです。今のところ用いている枠組みは、効用を序数的に扱うため人間の直感に近く、また「状態」への選好を分析するので「状態の遷移」という考え方で物事の不可逆な生起も記述することができるGMCR(Graph Model for Conflict Resolution)という手法です。分析対象は国家間の紛争で、実際の事例としてはキューバ危機に適用して検討しています。

「紛争解決のための意思決定数理モデル」なので、国際関係論的フィールドと数学やシステム的なフィールドの両方の関わることになり、いつもこの2フィールド各々において何か関心テーマを考えているような取り組み方です。ちなみに今日は、国際関係論的には地政学なパースペクティブを切り口、数理モデル的には選好を距離で捉える、ということに興味がある、と書いたところで、地政学と(数学的)距離、これはまた何とinspiring な!とちょっとうれしくなりました。いい思いつきです。総合してまとめた論文が書きたいと思います。

写真はつい数日前まで入院していた病室からの眺めです。この病室からよろよろと這い出て予定していた学会発表を行ったのですが、やはり東京タワーにパワーをもらうことが出来たからだと思っています。シンボルは大事。

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コンフリクトの数理-意思決定に関わるモメンタムが与える影響 のモデル化 Conflict Analysis-Modeling the dynamics of underlying momentum in decision making

第21回日本感性工学会大会発表用予稿です。当日は内容を数カ所修正・追加した上で発表を行いました。

 

コンフリクトの数理-意思決定に関わるモメンタムが与える影響 のモデル化 Conflict Analysis-Modeling the dynamics of underlying momentum in decision making

 

合理性について Rationality

私の研究は実証ではなくて、現実問題について色々条件をつけて単純化したモデルに対し、十分に検証されたと評価できる基本理論を適用、説明できない点があれば基本理論の拡張を行ったりモデル化に工夫をしたりしつつ、一般化を試みるもの。研究発表などでその方法について説明し主体の合理性に言及する時、本論に入る前にそこに疑義が唱えられて困惑することがしばしばある。もちろん人間は完全に合理的な選択だけをしながら生きているわけではないけれど、だからと言って合理性を初期条件におくことがそんなに著しく妥当性を欠くことはないはずなので、それほど「一言言わずにはいられない」人が多い性格の問題なんだろうなあと思ったりしている。

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